VACCINEワクチン
普段何気なくワクチンを接種している飼い主さんも多いと思います。「どんな病気を予防できるの?」
「初めて接種したときには聞いていたけど・・・」という飼い主さん、なぜワクチンの接種が必要で、
どんな感染症からペットを守ってくれるのでしょうか?
まずどんな動物でも必要なことは、環境に早く慣れさせることです。餌も家に来る前と同じ物を与えるとよいでしょう。
そして一週間くらいしたら(新しい環境に慣れるのには一週間くらい必要です)、動物病院に行って健診を受けましょう。
その際には必ず便を持ってきてください。今までに病院にかかったことのないペットの子たちは
糞便中に寄生虫を持っていることが時々あります。中には人にも感染するものがあるので注意が必要です。
特に小さなお子さんのいる家庭では手洗いを徹底しましょう。
ワクチンとは?
各種感染症のウイルスの毒素を弱めた抗原のことです。ワクチンが体内に入ると、この抗原に対抗するための抗体が体内で作られます。そのために、次に本物の強い病原体が体の中に入ってきてもその抗体で病原体を退治することができるようになるのです。ヒトの子どもにもBCG(結核)、ポリオ(小児麻痺)などの予防接種がありますが、これも同様にワクチンです。
ワクチンの接種時期
子犬や子猫は母親の母乳を飲んでいる時期は母親からの移行抗体(免疫)によって守られています。この抗体はいろいろな病気に対しての免疫物質を多く含んでいますが、母乳から離乳食に切り替わることにより8~14週で無くなってしまいます。そこで、母親からの抗体が切れた頃にワクチンの接種をするのです。ただし、母親の抗体が残っている間は、いくらワクチンを接種しても抗体は作られないので、生まれたばかりの子犬や子猫はワクチン接種が数回必要となります。また、ワクチンの抗体は1年で切れてしまいますから、2年目以降も年1回のワクチン接種が必要です。
ワクチンの種類
イヌは5~9種、ネコは3~7種までの感染症に対するワクチンの種類があります。当院では犬6・8種、猫3種のワクチンが打てます。どのワクチンが最適なのかは、生活環境や飼育方法などによって異なってきますので、獣医師にご相談ください。
DOG
イヌ
予防できる感染症 | 6種混合 | 8種混合 |
---|---|---|
犬ジステンパーウィルス感染症 | ● | ● |
犬パルボウィルス感染症 | ● | ● |
犬伝染性肝炎 | ● | ● |
犬アデノウィルス2型感染症 | ● | ● |
犬パラインフルエンザウィルス感染症 | ● | ● |
犬レプトスピラ病カニコーラ型 | – | ● |
犬レプトスピラ病イクテロヘモラジー型 | – | ● |
犬コロナウィルス感染症 | ● | ● |
CAT
ネコ
予防できる感染症 | 3種混合 |
---|---|
猫ウイルス性鼻気管炎 | ● |
猫カリシウイルス感染症 | ● |
猫汎白血球減少症 | ● |
猫白血病ウイルス感染症 | – |
クラミジア感染症 | – |
副作用
ワクチンアレルギーの発生率は約5,000~10,000分の1と低い確率ですが、顔が腫れてしまったり、急に血圧が下がり呼吸困難に陥るなど生命にかかわる危険性のあるアナフィラキシーショックや抗体により正常な赤血球や血小板が破壊される自己免疫疾患などの副作用の起こる可能性もあります。通常、大きな副作用はワクチン接種後15分以内に発症することが多いので、接種後はペットの様子に気を配ることが大切です。1時間位は慎重に様子をみて下さい。また、接種後に発熱、不活発、食欲低下などの症状が見られることもあります。激しい運動は避け、安静にしてゆっくりと休ませ、半日位は様子に注意してあげてください。副作用の判断を誤ると危険ですから、おかしいなと思った時は必ず病院に相談してください。